2019年10月14日(月) ~ 2019年11月24日(日)まで東京国立博物館(東博)で開催されていた「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」に行ってきました!
例年は奈良国立博物館でしか「正倉院展」は開催されていないと思うのですが、今年は御即位改元があったということで東京でも開催されたようです。
では、その感想です。
おススメ度
東博の特別展ではいつものことですが、国宝・重要文化財が10以上あります。(前期・後期で展示替えがあるので両方行くとすごいことに!)
展示数も多いため、1周目はざっくりと、2周目に目星を付けておいた展示を中心にじっくりと、など戦略を持っておかないと途中で疲れてしまいます。また、特にに注目すべき展示を見落とさないためにも音声ガイドを借りることをお薦めします。
時間に余裕を持って足を運びましょう。
私は会場を3周しました。
混雑具合
それほど混雑はしていませんでした。とは言っても他の博物館の特別展に比べると人は多いです。
国宝や音声ガイドでの解説がある展示には行列ができていました。
音声ガイド
- ナレーション:石澤典夫さん
- ガイド数:19(特別トラック3件)
- 収録時間:約35分
- 560円
展示内容
6章立て。
時代別ではなく美術品の種類別。工芸品が多く、意外にも絵画はほんの少数でした。
第1章 聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物
いきなり国宝「法隆寺献物帳」があります。いきなりの行列です。ちょっとげんなりしそうですが、これは見ましょう!展示物だけみても何が書いてあるのかわかる人は少ないと思います。近くにある解説文や音声ガイドを頼りにしましょう。
また、重要文化財の刀剣「直刀 無銘」にも行列が出来ていました。京都国立博物館の特別展で刀剣をたくさん見ましたがこれはなかったような。
それ以外では、屏風が良い雰囲気だと感じました。
第2章 華麗なる染織美術
染め織物だけでひとつの「章」立てが出来てしまう。この事実だけで正倉院の宝物の質と量を物語っています。
第3章 名香の世界
どこかで聞いたことのあった「黄熟香」が展示されていました。
所々切り取られているのですが、そこに切り取った人の名が記されています。足利義満、明治天皇などなど正に天下人ばかりです。教科書に登場するような方々がひとつの香木に名を刻んでいるのを見ると、この香木は歴史の証人なのだと思えます。
第4章 正倉院の琵琶
「正倉院」の宝物といって思い浮かべるもののひとつであろう「琵琶」が展示されていました。
というよりは、
だけのための章です。
教科書や資料集でみた「あれ」の本物です。
当然、人だかりができていますがめげずに良い場所から見ましょう。
また当時の技法で作成された模造品も展示されています。ちょっと模造品というにはもったいないです。立派な工芸品でした。
ちなみに木造五弦琵琶は、もう正倉院にある「これ」しか現存しないそうです
会場内では復元(予想)された音色の演奏が流れていました
第5章 工芸美の共演
伎楽面、瓶、香炉、碗などが展示されています。
作成された場所も中国・朝鮮・西アジアなどで、様々な地域の工芸品が納められていることがココだけでも分かります。
スミマセン、会場を何周かしているのですが、毎回この付近で疲労がピークに達して、行列が出来ている展示物は遠くからしか見れていません。なので感想も少な目です。
第6章 宝物をまもる
上の写真は、撮影可能な精巧な模造品です。
会場には、本物が展示されています。写真が撮れるように模造品もある用意の良さ。SNS等での拡散も見込めますし、撮影者にとっても自分で撮ったものだと思い返すときにより鮮明に記憶が蘇ってくるものです。
ただ展示しているだけではないのも上手いなと思わされます。
こういうのも一般の人向け教育となり「宝物をまもる」に繋がっていくと思います。
さて、
この章での見どころは「正倉院御物修理図」。
明治時代に実施された修理の様子を描いた記録絵画です。場所は赤坂離宮だそうです。宝物の修理をしているはずなのに、なぜか緊張がなく、ほんわかしています。いい雰囲気です。こんな感じで仕事したいです。
ショップ
写真を撮るのを忘れてました。。
他の特別展よりも賑わっていたように感じます。図録も売れてました。
「正倉院展」の東京開催は珍しいからかなと。
最後に
Youtube に InternetMuseum さんの取材動画が上がっていたので参考にリンクを貼っておきます。
東京国立博物館「正倉院の世界 ― 皇室がまもり伝えた美 ―」
ではでは。